文章がイイ「100回泣くこと/中村航」
関連するタグ: 100回泣くこと 中村航 小説 恋愛結婚を間近に控えた婚約者が卵巣ガンで死んでしまう作品。
まとめるとそういう本である。
どこにでもいる幸せを謳歌するカップル。
彼らの幸せは本当に小さくて、ありきたりなもの。
中村航はそんな日常を柔らかくて優しい筆致で、ときおりユーモアをまぜながら描いていく。
「結婚しようって言われたら、普通断れないよね」
僕の手元を照らしながら彼女は言った。
「そんなことないでしょ」
「いいや、無理。普通断れないよ」
彼女は何かの意味を強調したいとき、普通という言葉をよく使った。
「あー、でもね」と、彼女は言った。「夜景の見えるレストランで、もの凄く凝った方法で指輪渡されたりしたら、断るかも」
「それは普通に断るかもな」
いいねーいいねー。このやりとり。
おおげさなのはやだよねーみたいな普通の感覚?
そういうのが全編に渡って徹底されている。
彼も彼女もそこらへんにただの人なんだな。
。。。彼女の感覚はちょっと風変わりなところがあるんだけど。
僕らは同じプロジェクトに属する最小単位のユニットだった。プロジェクトの名はハッピネス。僕らは壁にもたれながらスケッチブックを眺めた。ときどき笑い、ときどき黙り、ときどきキスをして、ときどき指相撲をした。
これなんて、すばらしいよね。
キスをした、で止めずに指相撲まで書くことがいい。
キスで止めると、面白くもおかしくもないオチなし文。
そこに「指相撲」という遊びをいれることで笑いをとって印象を深めるんだね。
彼らの幸せな日々を、中村航は小さな出来事をコツコツと積み上げることで印象深く描く。
熱が出た彼女のために「解熱の舞」を踊ってみたり、プロポーズ記念日の6月11日を6月を彼氏が覚え、11日を彼女が覚えたり、なんてね。
でもこれ、彼女が死を間近に控えたとき、こういうのよね。
「もう六月だよ」
「早いね。ん? あれ何日だっけ」と、彼女は言った。
「六月」と、僕は言った。
「二十三日」と、彼女は言った。「いや違う。あれ?」
「十一日だよ」
「そっか、ごめん」と、彼女は言った。「記憶力が薄れているみたい」
「そんなことないでしょ」
「わかんない。でもこれからは藤井君が全部覚えておいて」
重い。重いねー。
死にゆく彼女がいう「全部覚えておいて」。うーん。重い。
文章がうまいね。この人は。
小さなことを積み上げて、かつ、それを印象深く残す技を持っている。
この人の本をいろいろと読んでみたくなった。
100回泣くこと 中村航 小説 恋愛
後半急ぎすぎかな「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹」
関連するタグ: 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 ラノベ ライトノベル 小説 サスペンス直木賞を受賞した桜庭一樹の出世作である。
主人公は13歳の中学生二人。
語り部の「山田なぎさ」と転校生の「海野藻屑」。
ふたりには共通点がある。それは「現実に目を背けていること」。
山田なぎさは貧乏で公団暮らし。
母が働いているにもかかわらず、兄は引きこもりでその稼ぎを無駄遣いしていた。
ダメでどうしようもない兄をなぎさは「貴族」と称して敬い、彼を喰わすため、中学卒業と同時に働こうと考えている。
彼女は必要としていた。
世を渡るための金という「実弾」を。兄という幻想を守るために。
海野藻屑は昔は有名だった芸能人の娘。
金持ちではあるが、父から日常的に暴力をふるわれ、片足は不自由で片耳も聞こえない。
そんな彼女が必要としたのは「砂糖菓子の弾丸」。
自分は人魚などという絵空事を口にしてつらい現実から眼を背けていた。
「こんな人生、ほんとじゃないんだ」
「えっ……?」
「きっと全部、誰かの嘘なんだ。だから平気。きっと全部、悪い嘘」
この小説の冒頭は、藻屑がバラバラ死体となって発見されるシーンからはじまる。
そして一ヶ月前にさかのぼり、どのように二人は出会い、二人は友情を積み上げ、やがて藻屑が死んだのか、と話が展開していく。
彼女たちには力がない。
それはもう、絶対的なまでに。
あたしたちは十三歳で、あたしたちは未成年で、あたしたちは義務教育を受けている中学生。あたしたにはまだ、運命を切り開く力はなかった。親の庇護の元で育たなければならないし、子供は親を選べないのだ。あたしはこの親の元でみんなより一足も二足も早く大人になったふりをして家事をして兄の保護者になって心の中だけでもうダメだよ、と弱音を吐いている。藻屑も行けるものならばどこかに行くのかもしれない。大人になって自由になったら。だけど十三歳ではどこにもいけない。
だけど十三歳ではどこにもいけない。
不幸な檻を打ち抜くための弾丸を、彼女たちはまだ手にできない。
この気持ち、何となくわかるね。
わたしも子供のころ、どこかに行きたくなった。
でも、どこにもいけるはずがない。
社会という枠組みで生きていくには、子供という肩書きはあまりにも弱すぎる。金も身分も仕事もない。
そうやってだんだんと追い詰められていく二人の少女――という筋書きなわけだが、ここがちょっと残念だ。
追い詰め方が弱いんだね。
その後、現実に耐えきれなくなった二人は逃げようとするのだが、追い詰め方が甘い。
二人が仲良くなるまではわりと丁寧に描かれているのだが、後半の追い詰められるあたりからが、どうも唐突で描写が足りない印象を受けるのだよね。
あと100ページほど追加して、そのあたりをいろいろと追加してくれると、後半の彼女たちの「逃げたい!」という想いとシンクロできたかもしれない。
彼女たちが日常に苦痛を感じていたのは事実だとしても、今まで耐えていた状況下で、あれくらいで逃げたいと思うほどの高まりを感じなかった。
もっとこう、絶望的なものを描いてくれれば。。。と思わなくもない。あと最終盤の展開がちょっと唐突なのも。そこが伸び悩んで★3だったね。
文章とかべらぼうにウマいし、前半の出来は神だったのでとても残念である。
この人の文章のウマさを見れば、一般小説でも受け入れられるってのはとても納得がいく。
そして。。。二人は逃げだそうと決意し。。。海野藻屑はバラバラ死体になった。
担任教師は頭をかきむしって、苦しそうにうめいた。
「あぁ、海野。生き抜けば大人になれたのに……」
絞り出すような声。
「だけどなぁ、海野。おまえには生き抜く気、あったのか……?」
生き抜けば大人になる。
当たり前のことだが、ハッとさせられる。
そう。生き抜けない子供たちもいる。その事実に。
あたしは、暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとしてある日、大人になるだろう。だけど十三歳でここにいて周りには同じようなへっぽこ武器でぽこぽこへんなものを撃ちながら戦ってる兵士たちがほかにもいて、生き残った子と死んじゃった子がいたことはけして忘れないと思う。
忘れない。
この世界ではときどきそういうことが起こる。砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない。
あたしの魂は、それを知っている。
これがラストの文章である。一部、割愛しているけど。
いい文章だね。この文章の哀愁は胸にぐさっと突き刺さる。
わたしも忘れない。生き残れなかった子供たちを。
おもちゃの拳銃と使い物にならない銃弾。
それだけで世界と戦う子供たち。
おとなの暴力に振り回される子供たちの無力さを『砂糖菓子の弾丸』というキーワードに閉じ込めて描いた着眼点は非常に秀逸。文章力もしっかりとしている。
おしむらくは、少女たちの不満のブレイク・ポイントがどうにも弱い点。小説の起爆点であるため、そこが弱く感じたのが残念だった。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 ラノベ ライトノベル 小説 サスペンス
意外とシリアス「ゼロの使い魔2/ヤマグチノボル」
関連するタグ: ゼロの使い魔 ヤマグチノボル ラノベ ライトノベル ファンタジー ラブコメ魔王の才能がてんでない「ゼロの」ルイズと、その使い魔として現代日本から誤って召喚されたサイトのファンタジー小説の2巻。
今回は前の巻から一転、シリアス目の展開になる。
ハルゲニア大陸の分裂を憂慮した貴族連盟。
大陸を統一せんと画策する彼らは、まずは弱小のアルビオンへと戦争を仕掛ける。
次に狙われるトリステインは強国ゲルマニア帝国との同盟を結ぼうと、帝国とトリステイン王女の結婚の話を進める。
そのトリステイン王女アンリエッタは「彼女が昔、アルビオンの王子に送った手紙」の奪還をルイズたちに秘密裏に依頼する。その手紙が貴族連盟にわたって白日にさらされれば、ゲルマニアとの婚姻、そして同盟の話がなかったことになってしまうからだ。
ということで、ルイズらは戦争中のアルビオンへと向けて旅立つのだった。
戦争という下敷きがあるので、この物語にしてはシリアスである。
あくまでも「この物語にしては」である。
さらに、旅に同行する風の魔術剣士・ワルド子爵。
彼はルイズの婚約者でもある凄腕の使い手である。
ルイズという少女に対してストレートに「好きだ」と伝えるワルドに対して、サイトはいろいろな感情のまじった不愉快さを隠し切れない。
このあたりの
・戦争という下敷き
・ルイズへの恋心
あたりが、前の巻よりも前面に出ている。
結果、ルイズとサイトの漫才のような雰囲気が前より後退したのは残念。
あのやりとりが面白かったのでね。
でまー、様々な戦いを通して、ルイズとサイトはお互いの大切さと自分の気持ちについて再確認するわけだが。。。
まだ2巻なんだけど、ラブコメとしてここまで接近して大丈夫なんだろうか?
ゼロの使い魔 ヤマグチノボル ラノベ ライトノベル ファンタジー ラブコメ
俺はバチスタを斬る「チーム・バチスタの栄光/海道尊」
関連するタグ: チーム・バチスタの栄光 海道尊 小説 ミステリ ハードボイルド噂の「チーム・バチスタの栄光」である。
困難なバチスタ手術において伝説的な成功率を誇る「チーム・バチスタ」。
現代の伝説と化した天才外科チームがここ最近、連続で手術に失敗している。
リーダーの桐生恭一は失敗の原因が見当もつかない。
彼の相談を受けて、院長の高階は窓際医・田口に真相の究明を依頼する。
というお話。
なぜバチスタ・チームの手術が途端に失敗し始めたのか。
この小説は早い段階で「それが殺しである」とほのめかす。
手術という密室内で起こった衆人環境の殺し。
誰が、なぜ、それをおこなったのか。おこないえたのか。
現役の医者によって書かれた医療ミステリである。
田口の性格がいい。
名は体を表す、とはよく言ったものだ。彼はどこからどう見ても「桐生恭一」だし、俺のほうは「田中公平」以外の何ものでもない。なぜ世の中はかくも不公平なのだろう。自己紹介をするたびに俺は、公平と名づけた親をこっそりとなじる。
こんなグチとも皮肉ともつかないようなセリフが延々と語られる。
万年講師の出世リタイア組であるため、ガツガツとした連中を見ながら淡々と風刺するさまが実に面白い。ハードボイルドの流れを汲む小説だね。
その田口が前に出る上巻はかなり楽しめた。
ただ、下巻がどうも好きになれない。
探偵役として派遣されてきた白鳥。
彼はかなりエキセントリックな性格で傍若無人というか口が悪い。容赦のない毒舌と無尽蔵の行動力で関係者をかき回す。
「そりゃあそうでしょう、田口センセみたいに、女性にもてないタイプには、アクティブ・フェーズは理解しにくいと思います」
俺はかちんと来た。たとえ明白な事実であっても、いや、明白な事実だからこそ、初対面の他人から面と向かって言われたら、誰だってむかつくだろう。
この白鳥の暴走が下巻の中心となる。
反面、田口のひねりのきいた語りが抑え目になる。そこが残念。
白鳥の性格はわたしにはエキセントリックすぎたな。同情の余地なしでやなやつである。名探偵が助手をいじめるのは「よくある」が、そこには「からかい」とか「愛情」みたいなのがある。白鳥はそれがなくて、単に変な人なので読んでいてスナオに楽しめなかった。
そこで点数を落としてしまったので★4ってところ。
白鳥のエキセントリックぶりが純粋に楽しめる人なら★5クラスだろう。
医療ミステリという稀有なテリトリーを扱い、立派な娯楽作品として仕立てている。文章もしっかりしている。ほとんどの人はそれなりに楽しめるだろう。オススメ。
この人の文章はなかなか味がある。
けっこう文章が好みなので、次の作品も読んでみたい。
チーム・バチスタの栄光 海道尊 小説 ミステリ ハードボイルド
まったり気味「狼と香辛料4/支倉凍砂」
関連するタグ: 狼と香辛料 支倉凍砂 ラノベ ライトノベル ファンタジー少女の姿をした賢狼ホロと行商人ロレンスの旅を描くシリーズの第四弾。
今回は異教の神を奉じる村が舞台。彼らの村でとれた麦が取引先の街から「毒入りだ」といちゃもんをつけられる。どうしようもなくなった村人たちは旅人のロレンスたちを犯人に仕立て上げようとする話。
うーむ。今回は2巻3巻に比べると落ちるかな。
評価的には1巻と同じくらい。おまけで★4にした1巻とは違い、★3にした。もうこの作品のキャパはわかっている。これくらいじゃ我慢できない。
何が微妙かというと、終始ロレンスが余裕だということ。
借金大王というくらい追い詰められまくり、ホロとの仲も危なかったロレンス。そのピンチっぷりが今回は影を潜めている。
ホロという最強のカードを持つロレンスは、今回「いつでもホロの力で逃げればいいや〜へへへ〜」という余裕があるため、そこで物語の勢いを出し切れなかったのが残念である。
まー。。。
ホロとの仲に関しては1〜3巻で一気にテンション高く描いているので、ここいらでまったりとした小休止の物語が入るのも悪くはないかな。
狼と香辛料 支倉凍砂 ラノベ ライトノベル ファンタジー
ガリレオ再び「予知夢/東野圭吾」
関連するタグ: 予知夢 東野圭吾 ミステリ 小説 探偵ガリレオテレビドラマ・ガリレオの原作の第二弾。ドラマはこの巻と前巻の「探偵ガリレオ」をタネにしている。
前の巻と変わりがないね。ガリレオが科学の知識を活用して、殺人事件+不思議現象を解き明かすというスタイルはそのまま。
ドラマとは違って柴崎コウ演じる感情的な刑事がいないため口喧嘩シーンがない。淡々とトリックの解明をしているような印象で盛り上がりが弱い。それも相変わらず。
ミステリ色が強いのはいいが作品としては地味。
ドラマを見ているならドラマだけでよいかと。
●夢想る
「17年前から結ばれる運命だった少女」の屋敷に忍び込もうとした男。彼は17年前、その家と接点がなかったはず。なぜ彼はその少女を知っているのか。
●霊視る
ある女性が職場で扼殺された。家で留守番していた彼氏は窓の外にいる「被害者」を見た。彼は婚約者の亡霊を見たのか。
●騒霊ぐ
ある男が行方不明になった。妻は夫の足取りを追って一軒の家にたどり着く。うさんくさい住人。彼らは決まった時間に家を開けていた。その時間に彼女が家に忍び込む。すると、部屋が大きく揺れ始めたのだった。。。
●絞殺る
ホテルの一室で男の絞殺死体が見つかった。なぜか部屋のカーペットには焦げ跡が。それに絞殺の痕跡にしては傷跡が微妙に違う。男の娘はその前日に「火の玉を見た」と。。。ガリレオが導き出した答えは。
●予知る
不倫をしていた男。彼のマンションの目の前に越してきた愛人は「首を吊ってやる」と彼を脅迫し、実際に首を吊って死んだ。単なる自殺のはずだった。「二日前に女性が首を吊るのを見た」という証言がなければ。彼女は予知ができるのか。
予知夢 東野圭吾 ミステリ 小説 探偵ガリレオ
下書き小説「らき☆すた殺人事件/竹井10日」
関連するタグ: らき☆すた殺人事件 竹井10日 らき☆すた コメディアニメ化で一世を風靡した人気マンガ「らき☆すた」の小説版である。
アニメブームにのっかれ的なニオイをむんむんと感じさせるデキ。
つまり、あまり面白くない。
とにかくはやく出版しろ的に、筆の速いライターに書かせた感じ?
書いている本人は面白いと思っているらしい独りよがりなギャグ。
粗い文章に粗い文体。推敲なし。下書き同然で一発完成!
締切必達! 速いが一番!
ミステリとしての体裁をもつシナリオも特筆するほどの完成度はない。
たぶん人が死んで推理するという形式なら深く考えずに書けるから、という程度の理由だろうな。
原作の「らき☆すた」は未読である。原作が面白いか面白くないかは知らないが、この小説が微妙なのと原作は関係ないだろうなー。
こなた、かがみ、つかさの三人娘のからみはそれなりに面白いからね。
文体・シナリオ・ギャグ。原作と関係ない部分が微妙。微妙すぎる。
らき☆すた殺人事件 竹井10日 らき☆すた コメディ
ひたすらバトル「XXゼロ呪催眠カーズ/上甲宣之」
関連するタグ: XXゼロ呪催眠カーズ 上甲宣之 小説 サスペンスそのケータイはXXで。
地獄のババぬき。
愛子としよりの冒険談シリーズ。その外伝である。
切れ味鋭いハサミを振り回し、圧倒的な力で愛子たちを苦しめる最強のライバル・狂人レイカの誕生秘話。時間的にはXXの直前の話となっている。
レイカの敵は「見つめただけで相手を催眠状態にできる」呪催眠の使い手。
この世に失望した彼女はレイカたちを巻き添えに自殺しようとする。
とにかく徹頭徹尾バトル。最初から最後まで、途中の小さなインターバルを除けば延々と戦い続けている。
・密室空間から出ると息ができなくなる呪い
・一定スピード以下に減速すると苦しむ呪い
・特定条件で自殺を仕向ける呪い
などなど。さらには毒虫や警察の包囲網にまで狙われる。
車の中。神社での大立ち回り。音の響く洋館。遊園地。ありとあらゆる場所でノン・ストップでバトりまくる。よくもまー、ここまでアイディアが続くものだな。
とはいえねー。★3かな。
バトルばっかりではちょっと単調なのだよね。
それで最後まで読ませる技術はすごいとは思うんだが。
XXゼロ呪催眠カーズ 上甲宣之 小説 サスペンス
アル中がなー「ドラゴンキラーいっぱいあります/海原育人」
関連するタグ: ドラゴンキラーいっぱいあります 海原育人 ドラゴンキラー ラノベ ライトノベル ハードボイルド ファンタジーうーむ。衝撃を与えてくれた★5の前作より劣るな。
今回のお話は、主人公のココの昔の上官である男が「痛龍」のドラゴンキラーを手に入れ、その力で街を征服しようとする話である。
でまー、このココの上官「中尉」がウザすぎるんだな。
アル中でどうしようもなく自堕落で身勝手。
小悪党のココならあっさりとこの役立たずを撃ち殺すのだろうが、軍隊時代の性癖が出て、この穀潰しを面倒みちゃうんだよね。すごくココらしくない。
このおっさんとのカラミがほとんどの前半は微妙を通り過ぎて苦痛だった。
ココは別人のような感じで、おっさんはキモすぎる。
このどーしよーもないおっさんはココの口利きで売春宿に仕事を見つける。
そこでバイナラするつもりが、なぜか「痛龍」のドラゴンキラーに見初められ、その力をもって暴走をはじめる。
で、ここでもすごく違和感があるのよね。
龍すら屠る最強の生物ドラゴンキラーが、こんな薄汚いおっさんと手を組むのがどうにも理解できない、というかやめて欲しいわけ。
このドラゴンキラー・アイロンの立ち位置も微妙なのだね。
最期におっさんが死ぬと、あっさりとココたちに鞍替えするわけ。
本人的には「寂しかったから」みたいな感じなので、おっさんでも誰でも隣に誰かいればいいみたいなんだが、それはそれで無節操だよなー。
どうも登場人物が好きになれないのよな。
後半の勢いはそれなりにあるので、読んでいて面白くないわけではないが、前巻の衝撃を期待するとなんだかなーとがっかりする。
ドラゴンキラーいっぱいあります 海原育人 ドラゴンキラー ラノベ ライトノベル ハードボイルド ファンタジー
最悪の主人公「果てしなき渇き/深町秋生」
関連するタグ: 果てしなき渇き 深町秋生 小説 ノワールなかなか最悪な感じの小説である。
覚せい剤を残して消息を絶った娘の消息を調べる元刑事を描いた話で、調査を進めると過激なチーマーや暴力団とのつながりがでてくる。
なにが最悪か。
登場人物が嫌な感じ。展開が嫌な感じ。
そして、何よりも嫌なのは主人公である。
酔った勢いで娘をレイプ。離婚した奥さんをレイプ。
追い掛けている男の奥さんをレイプ。奥さんの愛人をリンチ。
疲れたら押収した覚せい剤を吸う。
落 ち 着 け 、 お 前。
これで前職が警官という設定が嫌悪感を煽りまくってくれる。
本人は「家族の絆を復活させるんだーうおー!」といっているが、それって勝手な思い込みで妻も娘も誰も求めちゃいない。そりゃ、嫌だろ、こんな親父。
レイプ、リンチは当たり前、男が男を強姦までする。
ダークな世界、ノワールものとしては闇の世界を描いた感じではある。
そういったドロドロした話が好きならオススメだが普通はすすめない。
悪役ものがダメとはいわない。
カタルシスがないんだよな。スカッとした何かが。
ダークな気分で始まった物語はダークに終わる。
うーむ。こいつはヘヴィな小説だった。
これが「このミス大賞」か。。。
まー、筆力は認めるがね。何か違うと思わないでもない。
果てしなき渇き 深町秋生 小説 ノワール




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