これが西尾維新か「クビキリサイクル/西尾維新」
関連するタグ: 戯言 クビキリサイクル 西尾維新 小説 ミステリ ラノベ ライトノベル噂の西尾維新を読んだ。実は西尾維新は初めてだったりする。読んだ感想。うーん。面白いねー。勢いで★5とかつけてしまった。展開の速さやキャラ立ちがバツグンだった。逆に言えば「心に残るもの」を求めるならアウト。心に残るものとかは特にない。完全なるエンターテイメント作品。
絶海の孤島・鴉の濡れ羽島に住む(あるいは幽閉されている)財閥令嬢。彼女の趣味は世界各国から「天才」を招くこと。主人公の僕こと「いーちゃん」はコンピュータ工学の天才である玖渚友(くなぎさ・とも)の付き添いとして孤島を訪れる。
「科学・絵画・料理・占術・工学」。5人の天才たちが集う島で、密室クビキリ連続殺人事件がはじまる。いったい誰が。何のために。どうやって。Who, Why, How. いーちゃんと友がその謎に挑む――
集った天才たちのけれん味あふれる会話が実に面白い。彼らは天才だけあって、自分たちのスキルに絶対の自信を持ち、その哲学でもって口論をいとわない。特に主人公は厭世的な性格や玖渚友への曖昧な態度を厳しく指摘されている。
「君は競争が嫌いだ。物事をはっきりさせることが嫌いだ。曖昧主義だな」
「否定はしませんよ」
「否定しないそして肯定もしない。君が私と将棋の勝負を受けたのは、ただ、絶対に負けることがわかっていたからだろう? そうでもない限り、きみは決して勝負や競争をしたりしない」
容赦のない天才たちの観察眼。それに対して「戯言的な」言い訳でその場をしのぐ主人公。主人公の性格や風変わりな玖渚友との関係は論述テーマとして面白い。主人公がやりこめられている点も展開的にグッド。
数多くの天才たちが集う島。そのなかでズバ抜けて光るのは親友・玖渚友。青色の髪をして、常に黒い男物のコートを羽織る彼女は間違いなくブッちぎりの変人である。
「僕様ちゃん、一度決めた予定は絶対変えない畑の住人だからさ。生きるタイムテーブルと呼ばれているくらいだよ。」
「ひょっとして玖渚さん、あまりこの島での生活が楽しくありませんか? あまり部屋から出ていらっしゃらないようですし」
「僕様ちゃんはあまり部屋から出ていらっしゃらない畑の住人だからね。ううん。楽しいよ。すごく楽しい。僕様ちゃんはいつでもどこでもどこまでも楽しいんだ」
ファンタースティーック!!!
一人称が「僕様ちゃん」。そして独特の言い回し。この小説の面白さを支える柱は何本かある。その内の一本は間違いなく「玖渚友」その人の個性である。
密室やアリバイといったギミックを盛り込んでいるが、それほど切れ味鋭いトリックが用意されているわけではない。推理小説という形式を模倣したキャラクター小説。そういったほうが適切かな。ライト・ミステリが好きならオススメ。緻密な論理とかには。。。期待しちゃダメよ。
唯一、気にくわない点は裏の表紙。いーちゃんが友の生首をもってうつむいている。てっきり「友が死ぬのか!?」と驚いていた。あれだけ個性的なキャラをサクッと殺すなんて。と軽く衝撃を受けていた。
死なないじゃん!!!
みたいな。
あれは完全にダマされたよ。あの絵のせいで展開が気になってしまったのも事実。これが一番のトリックといえばトリックだったなー。こういうのは反則のような気もするが。

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