その背中に追いついて「一瞬の風になれ2 ヨウイ/佐藤多佳子」
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[評価:★★★★★]
今、売れている本「一瞬の風になれ」。
高校陸上で才能を開花する少年、
神谷新二の活躍を描いた第2巻である。
1年の冬から2年の秋を扱っている。
天才サッカー選手の兄はプロに入団。
面倒を見てくれた3年生たちは夏場に引退。
そして、連や神谷に憧れて入部する一年生。
出会いと別れを繰り返しながら、神谷は
陸上のコンマ数秒を究める世界、高速と
風の世界にのめりこんでいく。
相変わらずのカッコよさ。
最高の青春がココにある。
てっきりねー。。。陸上って
個人競技だとばっかり思っていた。
違うんだな。
チームで応援して、チームでがんばって。。。
その仲間たちとがんばる! って感じがね。
そして、それにリレーがある。
リレーこそはまさにチームプレイ。
この作者、個人競技はそれほど書かないのだけど、
リレーだけは本当に力を入れて書いている。
4人で走って結果を出す共同作業。
彼らはチームのために走り、がんばり、悩む。
個人主義者の天才・連が、どんなに
疲れていても「リレーは走れるよ」と言い、
彼はリレーでは超人的な走りを見せるとか。
リレメンで唯一、凡人の根岸が「俺が足を
引張っている」と悩みを吐露するシーンとか。
> わかっててもな、ありえなくても、もっと
> 速く走りてえよ。誰か他の奴の体借りてきて
> でも速く走りてえ。4継は、つらいよ。俺ン
> とこが大穴で。誰がなんと言おうと、つらいよ。
ああ。。。もう心からあふれる、魂の嘆きだよ。
こんなセリフをさらっと書けるなんて、神か?
一番よかったのは、足を痛めた連が、絶対に
安静という診断と顧問の反対をおしてリレーの
練習をし続けるところね。
あの自分勝手で練習嫌いの連が。。。なぜ?
それは引退する三年生のラスト・ランのため。
その彼とともに走るため、連は必死になっていた。
連。。。お前、カッコいいよな。。。
それに対する主人公の述懐もカッコいい。
> リレーという競技のことを、俺はまだ本当には
> わかっていないのかもしれないと思った。一ノ瀬連という
> 男のことも。ランナーとランナーのつながりのことも。
なんちゅーんでしょうね。箱根とか見ている
じゃないですか。もう走れないランナーとかが
必死に泣きながら走っているじゃないですか。
この本を読むと、すごく気持ちがわかるよね。
チームのために。このレースが最後のメンバーのために。
自分が、自分のせいで、すべてを台無しにしてはいけない。
来年なんてないんだ。今このレースがすべてなんだ。
そんな気持ちがひしひしと伝わってくる。
陸上は個人競技じゃないんだよ。
もうひとつ好きなシーンはプロサッカーに
入団する兄が、契約金で主人公にシューズを
買うシーンね。
それほどシューズにこだわりがない主人公だが、
彼の話を遮って、兄貴は言うんだ。
> いいシューズ履けよ、新二。
> 最高のヤツ、履いとけよ。
最高を追い求める天才の兄から託された
最高の男になれ、という気持ち。
なんかもうね、さらっと「最高」という
単語がでてくるのが、この作品のいいとこだね。
尻込みしない。諦めない。言い訳しない。
最速を、最高の極みを目指せ――
指標となる兄と、ライバルであり親友の連。
ふたりの天才を配した構成がすばらしい。
さて。。。そんなイケイケの物語だが、
はじめて重大な問題が2巻の最後で起こる。
当然、次の最終巻も読むしかないでしょう!
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一瞬の風になれ1 イチニツイテ
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