ほろ苦くも美しく輝く7日間「ネバーランド/恩田陸」
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[評価:★★★★☆]
主人公は4人の高校生たち。実家に
戻らず、新年を寮で迎えると決めた
彼らの、一週間の共同生活を描いた作品。
この小説のすごいところ。それは、
4人がただ生活していて、打ち明け話を
しているだけ、ということ。
それだけで最後まで読ませるのがスゴい。
恩田陸の傑作をひとつあげろ、といわれれば、
「夜のピクニック」をあげる。
あれは夜通し歩き続ける歩行会をベースに
した作品で、結局、歩き続けながら打ち明け話を
しているだけで最後の最後まで読ませ続ける。
あれとすごくニオイが似ている。ほとんど
会話だけで話を構築し、読者を引っ張り回す
技量は、ああ、これぞ恩田陸だ、と感動する。
話の基本路線としては、4人の高校生たちが、
自分の過去や親子関係にまつわる暗い過去の
打ち明け話が軸になる。
1人は幼いころの母の突然死をひきずり。
1人は愛人の子として本妻との関係に悩み。
1人は子供のころに誘拐された過去を抱え。
1人は離婚寸前の両親との関係を悩み。
昼間は10代の若者らしく、テニスや
今日の夕食といった「らしい」話題で
盛り上がっているのに、夜からはじまる、
暗く苦い打ち明け話の、そのギャップ。
普通の学生たちの心に潜む苦い過去。
その光と影が、この小説の面白みなんだよね。
まさに「苦くも美しい」仲間たちとの輝ける一週間。
派手な何かはなくとも、日常の会話と
打ち明け話だけで構築する恩田陸の妙手。
ぜひ味わってもらいたい。
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