商人の決闘「狼と香辛料3/支倉凍砂」
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■ロレンス/ホロとともに旅する行商人。
■ホロ/狼の化身にして豊壌の女神。その豊かな知識でロレンスを助け、気まぐれな性格で翻弄する。
■アマーティ/魚の仲買人。やり手。ホロに一目惚れし求婚する。
感想
★4おまけ。★4文句なし。ときた狼と香辛料シリーズ。
ついに文句なしの★5である。回を重ねるたびに完成度が高まっていくのはすばらしい。
今回は「ホロを奪い合う話」である。
ホロの故郷ヨイツを目指すロレンスご一行は祭り見物のためクメルスンに立ち寄った。
そこでアマーティという魚商人がホロに一目惚れしたからややこしくなる。
アマーティは若さの勢いでホロに求婚するわけだが、ロレンスはホロが受けるわけがないと歯牙にも掛けない。
しかし、ホロが故郷ヨイツの滅亡を知って風向きが変わる。
「ふふ、ぬしは、あ、哀れでか弱い子羊が好きじゃからな。なにも知らず、とっくに滅びた故郷に帰りたいなどといっておるわっちはどうじゃった? 間抜けで可愛かったじゃろう? 哀れで愛しかったじゃろう? わがままも許して優しくしたくなったじゃろう?」
ヨイツの滅亡を知っていたロレンスはホロの気持ちを考えてあえて黙っていた。
その行為がホロには、気落ちしたホロには嘘と欺瞞にしか見えなかった。
単なる邪推。
それでも、ホロが心を揺らすには充分だ。
良い感じだった二人の仲が崩れ、新しい恋敵の間で揺れる。
うーん。コテコテの恋愛小説的展開ですなーw
ロレンスは孤独な行商人業に疲れていて、ホロとの旅を心底喜んでいた。
その彼を過去2巻分も描いたからこそ、今回の展開のシビアさが伝わる。
喜びを知らない人間は喜びの不在を嘆かない。
喜びを知る人間は喜びを奪われれば嘆き悲しむ。
ロレンスはホロとの幸せな時間を守るため、アマーティに決闘を申し込む。
祭りで高騰した黄鉄鉱。その信用買いを仕掛けたのだ。
とまー、終盤は、その黄鉄鉱の売りタイミングを計り、ロレンスが一喜一憂する展開となる。なかなかよく描けていて、こっちもハラハラしながら読んでいた。
2巻は商人人生が終わるという崖っぷち物語。
3巻はホロという得難い相棒を失いかける物語。
シナリオにおけるロレンスのリスクの立て方がうまいよね。
今回は完璧だった。
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