正統派ミステリ「顔に降りかかる雨/桐野夏生」
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■村野ミロ/主人公。女。過去に夫を自殺で失ったトラウマがあり、その影響で半ニートの人生を送っている。
■耀子/ミロの友人。上昇志向が強いSMフリーライター。成瀬から預かっていた大金とともに行方をくらます。
■成瀬/耀子の恋人。友人のミロとともに耀子を捜し始める。
■ゆかり/耀子の助手。ミロと同じく疑われている。
感想
親友の耀子が一億円を持って姿を消した。
彼女に金を預けていた成瀬は暴力団とつながりのある男で、彼の経営する自動車会社の運転資金として臨時で借り受けたものだった。
ミロは知らないと主張するが、それを証明できない。パートナー兼監視役の成瀬とともに、耀子の立ち寄りそうな場所を捜索しはじめる。
というお話。
消えた友人、消えた大金、激怒する裏組織。
実に正統派ミステリの地をいく物語で、実際に正統派ミステリである。
耀子を捜査すると以下のことがわかる。
・耀子は破産寸前だった。
・耀子はドイツの取材で何かの情報をつかんでいた。
・耀子は知り合いのSMショウに行く予定だった。
ということがわかり、それらのラインで調査が進む。
SMや死体愛好、女装といった、ちいっとばかしダークな世界観が、この小説の隠し味である。強調するけど、隠し味レベルね。あくまでも。
で、実際は「耀子は殺されていた」ことが判明する。
じゃあ、誰が殺して、誰が金を奪ったのか。
というのが後半の展開。
話をクルッとひっくり返したり、地道に調査する展開は実に正統派。
すごく面白いわけではないが、けっこう面白い。よくできている。
ただ、純正すぎるミステリがゆえに直球すぎて遊びに欠けるのが難。
いやはや、贅沢な悩みだね。完成度は高いってこと。
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