嗚呼、完結「皇国の守護者5/伊藤悠」
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・新城直樹/主人公。皇国の少佐。一個大隊で敵の大軍勢を食い止める名将。激戦の末に任務を果たし、投降する。
・ユーリア/皇国を攻める帝国の女総司令官。捕虜となった新城と謁見する
感想
大人気にもかかわらず打ち切られてしまった「皇国の守護者」。その最終巻である。
死力を尽くした北領防衛戦――途中から北領撤退戦になったわけだが、知謀を尽くした新城の貢献もあり、皇国の主力は帝国の圧倒的な戦力に呑み込まれる前に北領を退却した。
残存兵力15名。たった15名。
そこで戦う愚かさを知る新城は降伏し、捕虜となる。
これに関して、新城と敵の士官の会話がいいね。
君たちの軍は敗北よりも誇り高い死を選ぶのではないか、と問われ。
「誇りで兵を救えるのならばそれに従っていたかもしれません。――いや、僕にとっては、兵をただ名誉のためだけに死なせることは恥ずべき行為にすら思えるのです。大佐殿。
歴史と伝統が許しても僕自身はそれを許容しかねます」
すばらしい。それでこそ大隊指揮官だ。
いっていることは二〇年以上前にヤン・ウェンリーがいっているのと同等だが「歴史と伝統が許しても」のくだりが実に力強くすばらしい。さすが辛辣なるヤン・ウェンリーだ。
今回の見所は敵軍の司令ユーリアとの会話かな。
全体の流れが肝の会話なので、一部を引用しても面白さが伝わらないのが残念。
互いを認めながらも、チクチクとやりあう心理的なやりとりが面白い。
あとは、最後の義姉と新城の再開もいいかな。子供時代のシーンがフラッシュ・バックするあたりがね。背の低かった少年は、やがて姉の背を越え、国を守る存在となる、みたいな演出が実にいい。
その後の展開がマンガで読めないのが残念至極。
小説版を読むか読まないか。それが問題だ。
「僕は部下の遺品すべてを届けられない。戦場の雪に何百と埋まっていても」
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