中年オヤジ妄想小説「パプリカ/筒井康隆」
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・千葉敦子/美貌の精神分析医。PT機器を使って他人の夢にダイブし、夢の謎を解き明かす夢探偵「パプリカ」でもある。
・時田浩作/巨漢の精神分析医。優秀な技術者でPT機器の作成者。さらに高性能な「DCミニ」を試験的に作る。
・乾精次郎/敦子たちと同じ研究所に所属する。彼らに反感を持ち、失脚させようとする。
・小山内守雄/ハンサムな精神分析医。乾の忠実な部下として敦子を苦しめる。
・能勢龍夫/敦子のセラピーを受けた縁で、乾と対立する彼女を助ける。
あらすじ
財団法人・精神医学研究所には二人の俊英がいた。千葉敦子と時田浩作。二人は「患者の夢に直接介入して対象の心を癒す」機器を発明し、ノーベル賞候補と謡われていた。
また千葉敦子は、精神の病を公にできない著名人の心を癒す夢探偵「パプリカ」として二つ目の顔を持っている。
そんな二人を失脚させ、あわよくば発明の権利を奪おうとする動きがあった。乾と小山内。彼らは機器を悪用して親敦子派の研究員を排除し、財団法人の内乱を利用して敦子たちを追い詰める。
その最中、時田が試験的に作ったDCミニに狂気の性能があることが発覚する。DCミニでの行為は現実世界そのものに直接的に影響を与える。使い方次第では人を殺し、人格を崩壊させる装置。
DCミニを使用した混沌の具合を増し、伝説上のモンスターが入り乱れて戦う修羅場へと発展していく。
感想
なんじゃこりゃ、な話である。読んでいて不快になった作品は久方ぶりである。
乾が萎えである。徹底的に時代遅れな女性差別主義者で「女という奴は」的な古くさい発想が多く、君は何時代の人だね、と言いたくなる。筒井康隆の思想なのか?
その乾が小山内をけしかけてパプリカを強姦しようとする。「犯してしまえば言いなりになるだろう」という理由らしい。なんだそれは。
そして実践されるわけだが。肝心のパプリカが「殴られて無理矢理やられるくらいなら、最近は男日照りだから一発やらせちゃえ」的な発想で受け入れる。おいおい。
荒々しく覆い被さってくる小山内の背中を叩き、敦子は言った。「させたげるから。乱暴しないで。させたげますから」
「ああ」小山内の切羽詰まった顔が、安心で泣き笑いの表情に変わった。「やっとわかってくれた」
「そうよ。そのかわり、きちんとするのよ。満足させてくれなきゃ駄目よ」
で、小山内は合意のもとに彼女を襲うが、今度は彼の「彼自身」が元気にならない。どうやら緊張のせいらしい。
DCミニで状況を補足しているかもしれない乾精次郎が彼を叱咤しているようでもあった。
「何をしておるんじゃ。しっかりせんか。しっかりせんかい」
小山内がどういう状態にあるかを知った敦子は腹を立てた。
「何よこれ」と敦子は叫んだ。「ひどいじゃないの。するならするで、心の準備くらいはちゃんとしてきなさいよ」
「ごめん」気弱げに小山内は言った。
「お人形さんしか愛することができないんでしょう。あなたは子供だわ」
「あんたが悪いんだ。海千山千の中年女みたいに開きなおったり、あれこれ指図したりするからだ」
しっかりせんか。しっかりせんかいwww
だいたい強姦する側がされる側に「心の準備くらいしてこい」とか言われるってどうよ。これは新しいプレイなんだろうか。
そんな感じで、中盤以降は女性パプリカの争奪戦的なおもむきの話になっている。
相手に中年オヤジが多いため、どうにも「若いねーちゃんとつきあいてーな」というオヤジが妄想したような展開になっている。
その後は、さらにカオスになっていき、乾たちはグリフォンやら地獄の大公アモンやらを召喚し、モンスターで戦いはじめる。バーテンが不動明王になって戦う。
このあたりになったら、もう何がなにやらという話で、最後は小山内の形をしたキリスト像(それってキリスト像じゃないぞ)の腰布をひっぺがえしたら、なぜか女性のソレで、それを見た女性嫌いの乾が発狂して終わる。
何というか、ゴチャゴチャである。計算された混乱ではない。とにかくカオス。ある意味すごいんだが、それが面白かと言われると微妙で、壮大な自慰行為をみた気分である。
夢探偵というアイディアは面白いので、そっちのほうでうまくまとめてくれればよかったんだがねー。

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