ハートフル「ホームレス中学生/田村裕」
関連するタグ: ホームレス中学生 田村裕 小説何でも200万部売れたというベストセラーである。漫才師・麒麟のツッコミ田村裕が中学生時代に「ホームレスになった」という実話である。
読んだ感想としては。。。ホームレスの期間はわりと短く、三分の一くらいで友人の家にご厄介になる。そこからは「人々の優しさに支えられた」ハートフルな物語がはじまる。
小公女セーラばりの苦労話が展開することもなく、ホームレス時代をくぐり抜けてからは、わりと幸せだったりする。
いい話はいい話なのだが、ひねりが特にないので「普通」かな。
ホームレス中学生 田村裕 小説
キュートで颯爽とした少女の話「夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦」
関連するタグ: 森見登美彦 夜は短し歩けよ乙女 小説 コメディちょっと奥手な京都の大学四年生の主人公。大学一年生の後輩に惚れてしまった彼が、何とか彼女の気を引こうと奮闘する物語。主人公の男の視点と、彼女の視点が交互に切り替わって描かれている。
ちょっと奥手なところが、モリミーワールドである。ストレートに想いを伝えられないがゆえに、遠回しな策略に走るヘンテコな主人公は健在である。
ただ、どっちかというと、今回は男のほうはどうでもよく、女のほうが主役である。冒頭の『これは私のお話ではなく、彼女のお話である。』という一文は伊達ではない。
何というか、この女の子がすごく堂々としているんだね。揺らぎがないというか。かといって、別に偉そうなわけではなく、清楚で礼儀正しく、ウブでニブいところがある。そのバランスというか配合が絶妙である。
本上まなみの推薦文『なんてチャーミングな女の子だと』という一文が適切。それらを表現するならチャーミング。そんなステキな少女の話。
とはいえ。。。なんかパンチが弱いんだよねー。少女は「かわゆい」のだけど、それだけじゃー、話を推し進めるのが弱い。同じ日常系を扱ったデビュー作『太陽の塔』はコメディ色の強さでそれを補ったが、今回は少女が主役であるため、その押しが弱く感じた。
ストーリー的な勢いに欠けるので、そこを評価するわたしには★3かな。ただ全体を貫く「あたたかくてかわいくて、ちょっと変」な雰囲気は実に独特で味わい深い。そういう雰囲気を楽しめるなら悪くない作品だろう。
森見登美彦 夜は短し歩けよ乙女 小説 コメディ
すべての子供だった人へ「星の王子さま/サン=デグジュペリ」
関連するタグ: 星の王子さま サン=デグジュペリ 小説 童話あの有名な「星の王子さま」である。実は初読。どんな本なんだろうね。
こういう本である。
主人公の乗る飛行機が砂漠に墜落。その故障を直していると、不思議な少年と出会う。彼は、自分と大きさの変わらない、小さな惑星の王子さまで、宇宙を旅している。
王子さまは自分が旅した惑星と、その住民の話をはじめる。
・たったひとりで惑星に住む王さま
・称賛を求めるおじさん
・酒浸りのおじさん
・優秀だと言い張る実業家
など。
純粋な心を持つ王子さまは彼らの行動に疑問をかんじ、いろいろと言い返す。その王子さまのまっすぐさがね。これらは現代を生きる人たちの風刺。それに対してきちっと自分の意見を通し、美しい生き方を曲げない王子さまはカッコいい。
そして地球を訪れる。
その広大な惑星で、王子さまはキツネと出会う。
キツネとのやりとりは白眉だねー。この物語の。
「でも、もしきみがぼくをなつかせてくれたら、ぼくの暮らしは急に陽が差したようになる。ぼくは、ほかの誰ともちがう君の足音が、わかるようになる。ほかの足音なら、ぼくは地面にもぐってかくれる。でもきみの足音は、音楽みたいに、ぼくを巣の外へいざなうんだ。それに、ほら! むこうに麦畑が見えるだろう? ほくはパンを食べない。だから小麦にはなんの用もない。麦畑を見ても、心に浮かぶものもない。それはさびしいことだ! でもきみは、金色の髪をしている。そのきみがぼくをなつかせてくれたら、すてきだろうなあ! 金色に輝く小麦を見ただけで、ぼくはきみを思い出すようになる。麦畑をわたっていく風の音まで、好きになる……」
それに、こうもいう。
たとえば、きみが夕方の四時に来るなら、ぼくは三時からうれしくなってくる。そこから時間が進めば進むほど、どんどんうれしくなってくる。そうしてとうとう四時になると、もう、そわそわしたり、どきどきしたり。こうして、幸福の味を知るんだよ!
そして、こういう。
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。
「きみのバラをかけがえのないものしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ。きみはなつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。きみは、きみのバラに、責任がある……」
キツネが語る人と人とのつながり。
当たり前のことを、心で感じることを、キツネは言葉にして紡ぐ。
そうして、主人公との会話を終えた星の王子さまは、自分が残していったバラのため(バラは恋人のメタファーだろう)、再び宇宙へと帰っていく。
王子さま登場人物のセリフは現実の世界の風刺や警句に満ちている。子供が読めば人生の教養書として、大人が読めば反省する部分を感じつつ読めるだろう。子供よりも大人が読むべき本かな。
なるほど、読み継がれるだけのことはある。
ただまー、極端な感動や極端な面白さがあるわけでもないので、ふーんとは思うだけで格別に面白いわけでもない。
星の王子さま サン=デグジュペリ 小説 童話
防犯探偵あらわる「硝子のハンマー/貴志祐介」
関連するタグ: 硝子のハンマー 貴志祐介 小説 ミステリ黒い家など、ホラーというかサスペンス的な小説で有名な貴志祐介の書いた本格推理小説。
元泥棒くさい、うさんくささ爆発の防犯探偵(豊富な防犯知識を駆使する探偵)とミステリ好きの弁護士が、高層ビルで起きた密室殺人事件の真相に挑む。
「今、他の人間に犯行が可能でなかったか、専門家を雇って調べています」
「専門家というと、何の?」
「一応、防犯コンサルタントという肩書きがあるんですが、侵入に関するプロです」
「侵入のプロ?」
「まあ、ほとんど、泥棒のようなものと思っていただければ」
防弾ガラス、監視カメラ、暗証番号式のエレベーター。
何者も寄せ付けない鉄壁のセキュリティのなか、介護サービス会社の社長が何者かによって撲殺された。その謎を解き明かす。
小説は前編が推理パート、後編が犯人主観の物語となっている。
抜け目なく、多少のイリーガルなら突破してしまう防犯探偵の性格が実にいい味を出している。マジメな弁護士とのやりとりも面白い。
それに対して、後編の犯人生い立ち編は、まー、普通かな。犯人がなぜ犯行に走ったかを描くのは、青の炎を描いた貴志祐介らしいといえば貴志祐介らしい。
でも、彼にもツラい過去があってね。だから犯罪に手を染めたのよね。
という話なんだけど、類型的であまり胸を打たないな。あっそ、みたいな。
ミステリ小説ってトリック暴露の瞬間に、どれだけ痺れられるかがポイント。
この作品、その痺れが切れ味鋭くないのよね。
それは犯人パートで犯人が犯行を犯す準備から実行までを描いたためで、探偵が口で説明したわけではないから、かな。こうきて、こうして、ああやって、みたいな謎を解きほぐす感覚がなかったのが残念。
まー。。。トリック自体もそこまですごいものでもないんだが。。。
ふーんといったかんじ。
ミステリとしてはあれだけど、防犯探偵のキャラがいい。
謎を解いた防犯探偵は、犯人を呼び出す。
てっきり「事件のことを黙っていて欲しければ金を出せ」と取引を要求されている。そう思った犯人は。。。
「半分で、どうですか?」
それから、純子に目をやった。
「いや、三分の一ずつ。一人頭、二億円以上になるはずです」
男は、無表情に首を振った。
「じゃあ、いくらなら……?」
絶望に打ちひしがれそうになりながら、一縷の望みを込めて訊ねる。
「私は、そこまで強欲じゃない。本来なら、文句なく、折半で手を打ってた。そこにいる、青砥先生には報告しないでね。お望みなら、ダイヤをさばくルートくらいは、紹介できただろう」
男は嘆息するようにいう。
「だが、君は、最悪の選択……殺人に手を染めた」
いいね。このセリフにこそ防犯探偵のキャラが生きている。
泥棒としての矜持。物は盗んでも命までは奪わない。
それが防犯探偵のボーダーライン。
キャラがおいしいので防犯探偵の活躍をまた見てみたい。
硝子のハンマー 貴志祐介 小説 ミステリ
ドラマと現実がクロス「学園カゲキ!2/山下進」
関連するタグ: 学園カゲキ! 山下進 ラノベ ライトノベル コメディ 学園役者を目指す学生たちが集う学園カゲキ。学園では有望な生徒たちを主人公にしてドラマを作成し、BSチャンネルで放送している。
今回のドラマは「怪獣ラブコメ・きぐるみん」。
日常生活できぐるみを着た少女と、彼女が好きな男の子と、きぐるみ少女の親友の女の子。三人の三角関係を描いた物語である。
今回の話のキモ。それはWの三角関係である。
ドラマでも三角関係なら、出演者たちも三角関係。
ただし、横恋慕の女の子が現実とドラマで逆転していて、そのそのあべこべの設定がお話のコクとなっている。
現実で二人は仲違いしてしまうわけだが、ドラマの役を通じて互いの心境を理解し、許し合うという展開になっている。そこは演劇ドラマらしいよね。
まー、そこそこは楽しめるんだが。。。
ただ、コメディ作品として突き抜けたものがないのだよな。クスッとたまには笑えるのだが、それくらい。もうちょい、なにかがあるといいんだけど。
学園カゲキ! 山下進 ラノベ ライトノベル コメディ 学園
後半急ぎすぎかな「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹」
関連するタグ: 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 ラノベ ライトノベル 小説 サスペンス直木賞を受賞した桜庭一樹の出世作である。
主人公は13歳の中学生二人。
語り部の「山田なぎさ」と転校生の「海野藻屑」。
ふたりには共通点がある。それは「現実に目を背けていること」。
山田なぎさは貧乏で公団暮らし。
母が働いているにもかかわらず、兄は引きこもりでその稼ぎを無駄遣いしていた。
ダメでどうしようもない兄をなぎさは「貴族」と称して敬い、彼を喰わすため、中学卒業と同時に働こうと考えている。
彼女は必要としていた。
世を渡るための金という「実弾」を。兄という幻想を守るために。
海野藻屑は昔は有名だった芸能人の娘。
金持ちではあるが、父から日常的に暴力をふるわれ、片足は不自由で片耳も聞こえない。
そんな彼女が必要としたのは「砂糖菓子の弾丸」。
自分は人魚などという絵空事を口にしてつらい現実から眼を背けていた。
「こんな人生、ほんとじゃないんだ」
「えっ……?」
「きっと全部、誰かの嘘なんだ。だから平気。きっと全部、悪い嘘」
この小説の冒頭は、藻屑がバラバラ死体となって発見されるシーンからはじまる。
そして一ヶ月前にさかのぼり、どのように二人は出会い、二人は友情を積み上げ、やがて藻屑が死んだのか、と話が展開していく。
彼女たちには力がない。
それはもう、絶対的なまでに。
あたしたちは十三歳で、あたしたちは未成年で、あたしたちは義務教育を受けている中学生。あたしたにはまだ、運命を切り開く力はなかった。親の庇護の元で育たなければならないし、子供は親を選べないのだ。あたしはこの親の元でみんなより一足も二足も早く大人になったふりをして家事をして兄の保護者になって心の中だけでもうダメだよ、と弱音を吐いている。藻屑も行けるものならばどこかに行くのかもしれない。大人になって自由になったら。だけど十三歳ではどこにもいけない。
だけど十三歳ではどこにもいけない。
不幸な檻を打ち抜くための弾丸を、彼女たちはまだ手にできない。
この気持ち、何となくわかるね。
わたしも子供のころ、どこかに行きたくなった。
でも、どこにもいけるはずがない。
社会という枠組みで生きていくには、子供という肩書きはあまりにも弱すぎる。金も身分も仕事もない。
そうやってだんだんと追い詰められていく二人の少女――という筋書きなわけだが、ここがちょっと残念だ。
追い詰め方が弱いんだね。
その後、現実に耐えきれなくなった二人は逃げようとするのだが、追い詰め方が甘い。
二人が仲良くなるまではわりと丁寧に描かれているのだが、後半の追い詰められるあたりからが、どうも唐突で描写が足りない印象を受けるのだよね。
あと100ページほど追加して、そのあたりをいろいろと追加してくれると、後半の彼女たちの「逃げたい!」という想いとシンクロできたかもしれない。
彼女たちが日常に苦痛を感じていたのは事実だとしても、今まで耐えていた状況下で、あれくらいで逃げたいと思うほどの高まりを感じなかった。
もっとこう、絶望的なものを描いてくれれば。。。と思わなくもない。あと最終盤の展開がちょっと唐突なのも。そこが伸び悩んで★3だったね。
文章とかべらぼうにウマいし、前半の出来は神だったのでとても残念である。
この人の文章のウマさを見れば、一般小説でも受け入れられるってのはとても納得がいく。
そして。。。二人は逃げだそうと決意し。。。海野藻屑はバラバラ死体になった。
担任教師は頭をかきむしって、苦しそうにうめいた。
「あぁ、海野。生き抜けば大人になれたのに……」
絞り出すような声。
「だけどなぁ、海野。おまえには生き抜く気、あったのか……?」
生き抜けば大人になる。
当たり前のことだが、ハッとさせられる。
そう。生き抜けない子供たちもいる。その事実に。
あたしは、暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとしてある日、大人になるだろう。だけど十三歳でここにいて周りには同じようなへっぽこ武器でぽこぽこへんなものを撃ちながら戦ってる兵士たちがほかにもいて、生き残った子と死んじゃった子がいたことはけして忘れないと思う。
忘れない。
この世界ではときどきそういうことが起こる。砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない。
あたしの魂は、それを知っている。
これがラストの文章である。一部、割愛しているけど。
いい文章だね。この文章の哀愁は胸にぐさっと突き刺さる。
わたしも忘れない。生き残れなかった子供たちを。
おもちゃの拳銃と使い物にならない銃弾。
それだけで世界と戦う子供たち。
おとなの暴力に振り回される子供たちの無力さを『砂糖菓子の弾丸』というキーワードに閉じ込めて描いた着眼点は非常に秀逸。文章力もしっかりとしている。
おしむらくは、少女たちの不満のブレイク・ポイントがどうにも弱い点。小説の起爆点であるため、そこが弱く感じたのが残念だった。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 ラノベ ライトノベル 小説 サスペンス
意外とシリアス「ゼロの使い魔2/ヤマグチノボル」
関連するタグ: ゼロの使い魔 ヤマグチノボル ラノベ ライトノベル ファンタジー ラブコメ魔王の才能がてんでない「ゼロの」ルイズと、その使い魔として現代日本から誤って召喚されたサイトのファンタジー小説の2巻。
今回は前の巻から一転、シリアス目の展開になる。
ハルゲニア大陸の分裂を憂慮した貴族連盟。
大陸を統一せんと画策する彼らは、まずは弱小のアルビオンへと戦争を仕掛ける。
次に狙われるトリステインは強国ゲルマニア帝国との同盟を結ぼうと、帝国とトリステイン王女の結婚の話を進める。
そのトリステイン王女アンリエッタは「彼女が昔、アルビオンの王子に送った手紙」の奪還をルイズたちに秘密裏に依頼する。その手紙が貴族連盟にわたって白日にさらされれば、ゲルマニアとの婚姻、そして同盟の話がなかったことになってしまうからだ。
ということで、ルイズらは戦争中のアルビオンへと向けて旅立つのだった。
戦争という下敷きがあるので、この物語にしてはシリアスである。
あくまでも「この物語にしては」である。
さらに、旅に同行する風の魔術剣士・ワルド子爵。
彼はルイズの婚約者でもある凄腕の使い手である。
ルイズという少女に対してストレートに「好きだ」と伝えるワルドに対して、サイトはいろいろな感情のまじった不愉快さを隠し切れない。
このあたりの
・戦争という下敷き
・ルイズへの恋心
あたりが、前の巻よりも前面に出ている。
結果、ルイズとサイトの漫才のような雰囲気が前より後退したのは残念。
あのやりとりが面白かったのでね。
でまー、様々な戦いを通して、ルイズとサイトはお互いの大切さと自分の気持ちについて再確認するわけだが。。。
まだ2巻なんだけど、ラブコメとしてここまで接近して大丈夫なんだろうか?
ゼロの使い魔 ヤマグチノボル ラノベ ライトノベル ファンタジー ラブコメ
まったり気味「狼と香辛料4/支倉凍砂」
関連するタグ: 狼と香辛料 支倉凍砂 ラノベ ライトノベル ファンタジー少女の姿をした賢狼ホロと行商人ロレンスの旅を描くシリーズの第四弾。
今回は異教の神を奉じる村が舞台。彼らの村でとれた麦が取引先の街から「毒入りだ」といちゃもんをつけられる。どうしようもなくなった村人たちは旅人のロレンスたちを犯人に仕立て上げようとする話。
うーむ。今回は2巻3巻に比べると落ちるかな。
評価的には1巻と同じくらい。おまけで★4にした1巻とは違い、★3にした。もうこの作品のキャパはわかっている。これくらいじゃ我慢できない。
何が微妙かというと、終始ロレンスが余裕だということ。
借金大王というくらい追い詰められまくり、ホロとの仲も危なかったロレンス。そのピンチっぷりが今回は影を潜めている。
ホロという最強のカードを持つロレンスは、今回「いつでもホロの力で逃げればいいや〜へへへ〜」という余裕があるため、そこで物語の勢いを出し切れなかったのが残念である。
まー。。。
ホロとの仲に関しては1〜3巻で一気にテンション高く描いているので、ここいらでまったりとした小休止の物語が入るのも悪くはないかな。
狼と香辛料 支倉凍砂 ラノベ ライトノベル ファンタジー
ガリレオ再び「予知夢/東野圭吾」
関連するタグ: 予知夢 東野圭吾 ミステリ 小説 探偵ガリレオテレビドラマ・ガリレオの原作の第二弾。ドラマはこの巻と前巻の「探偵ガリレオ」をタネにしている。
前の巻と変わりがないね。ガリレオが科学の知識を活用して、殺人事件+不思議現象を解き明かすというスタイルはそのまま。
ドラマとは違って柴崎コウ演じる感情的な刑事がいないため口喧嘩シーンがない。淡々とトリックの解明をしているような印象で盛り上がりが弱い。それも相変わらず。
ミステリ色が強いのはいいが作品としては地味。
ドラマを見ているならドラマだけでよいかと。
●夢想る
「17年前から結ばれる運命だった少女」の屋敷に忍び込もうとした男。彼は17年前、その家と接点がなかったはず。なぜ彼はその少女を知っているのか。
●霊視る
ある女性が職場で扼殺された。家で留守番していた彼氏は窓の外にいる「被害者」を見た。彼は婚約者の亡霊を見たのか。
●騒霊ぐ
ある男が行方不明になった。妻は夫の足取りを追って一軒の家にたどり着く。うさんくさい住人。彼らは決まった時間に家を開けていた。その時間に彼女が家に忍び込む。すると、部屋が大きく揺れ始めたのだった。。。
●絞殺る
ホテルの一室で男の絞殺死体が見つかった。なぜか部屋のカーペットには焦げ跡が。それに絞殺の痕跡にしては傷跡が微妙に違う。男の娘はその前日に「火の玉を見た」と。。。ガリレオが導き出した答えは。
●予知る
不倫をしていた男。彼のマンションの目の前に越してきた愛人は「首を吊ってやる」と彼を脅迫し、実際に首を吊って死んだ。単なる自殺のはずだった。「二日前に女性が首を吊るのを見た」という証言がなければ。彼女は予知ができるのか。
予知夢 東野圭吾 ミステリ 小説 探偵ガリレオ
ひたすらバトル「XXゼロ呪催眠カーズ/上甲宣之」
関連するタグ: XXゼロ呪催眠カーズ 上甲宣之 小説 サスペンスそのケータイはXXで。
地獄のババぬき。
愛子としよりの冒険談シリーズ。その外伝である。
切れ味鋭いハサミを振り回し、圧倒的な力で愛子たちを苦しめる最強のライバル・狂人レイカの誕生秘話。時間的にはXXの直前の話となっている。
レイカの敵は「見つめただけで相手を催眠状態にできる」呪催眠の使い手。
この世に失望した彼女はレイカたちを巻き添えに自殺しようとする。
とにかく徹頭徹尾バトル。最初から最後まで、途中の小さなインターバルを除けば延々と戦い続けている。
・密室空間から出ると息ができなくなる呪い
・一定スピード以下に減速すると苦しむ呪い
・特定条件で自殺を仕向ける呪い
などなど。さらには毒虫や警察の包囲網にまで狙われる。
車の中。神社での大立ち回り。音の響く洋館。遊園地。ありとあらゆる場所でノン・ストップでバトりまくる。よくもまー、ここまでアイディアが続くものだな。
とはいえねー。★3かな。
バトルばっかりではちょっと単調なのだよね。
それで最後まで読ませる技術はすごいとは思うんだが。
XXゼロ呪催眠カーズ 上甲宣之 小説 サスペンス











